
支柱の役割と立て方のコツ
2025/06/02
庭木を植えたとき、必ずといっていいほど立てるのが「支柱(しちゅう)」。
見た目は地味ですが、実は木の成長や根張りを左右する大切な仕事です。
今回は、植木屋が現場で実践している「支柱の役割と立て方のコツ」を紹介します。
1. 支柱の目的は「木を立たせること」ではない?
支柱というと「倒れないようにするもの」と思われがちですが、
本来の目的は “根が安定するまで木を支える” こと。
植えた直後の木は、まだ根が十分に張っておらず、
風や自重でぐらつくと新しい根が切れてしまいます。
支柱は“仮の背骨”のようなものなのです。
2. 支柱の種類と使い分け
| 種類 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| 一本支柱(添え木式) | 一方向から支える | 小木・低木向け |
| 二本支柱(合掌式) | 風の強い方向を固定 | 中木向け |
| 三本支柱(八掛け式) | 安定性が高い | 高木・記念樹など |
| 交差支柱 | 枝の補強に使う | 横枝が折れそうなとき |
※最近は竹支柱だけでなく、腐りにくい樹脂コートやアルミ支柱も増えています。
3. 支柱の立て方の基本
風の方向を確認
支柱は風上側に立てて支えるのが基本です。
木を押さえつけるのではなく、風を“受け止める位置”に。地中深く、根鉢より外側に打つ
根を傷つけないように、根鉢の外側に支柱を立てる。
深さはおおよそ 30〜50cm が目安。結束位置は枝分かれの少し下
高すぎると木が揺れやすく、低すぎると支えになりません。
風で振れても木肌を傷つけないよう、緑化テープなどで「8の字」に結ぶのがコツ。
(支柱)\ ⇦風上側
|\
| \(木)
| \
(風下側)
4. よくある失敗と注意点
- 結束が強すぎて幹がくびれる
- 竹支柱が腐って倒れる
- 支柱が短くて風でぐらつく
- 根鉢の真上に支柱を打ち込んで根を傷める
どれも、少しの工夫で防げるトラブルです。 “支える”つもりが“痛めている”ケースもあるので注意しましょう。
5. 支柱の外しどき
根がしっかり張ったら、支柱は外すのが理想です。 目安は 1〜2年。 いつまでも支柱に頼っていると、木が自力で立とうとしなくなります。
支柱は「成長を助ける道具」であって、永遠の支えではありません。
まとめ
- 支柱は“木の背骨”ではなく、“根を守る一時的な支え”
- 種類と風向きを意識して正しく設置
- 緑化テープは8の字結束で幹を傷めない
- 根が落ち着いたら支柱は卒業
木も人と同じで、最初の“支え方”が肝心です。 優しく、でもしっかりと。 それが植木屋の支柱仕事です。