
庭木の「仕立て」とは? ― 形づくる技と心
2025/07/27
今日は庭づくりのなかでも特徴的な作業 「仕立て」 について、少し深く掘り下げてご紹介します。
仕立てとは何か
「仕立て」とは、植木を人の手で意図した姿に育て上げることです。
自然のままの樹形を楽しむ剪定とは異なり、庭の設計思想や美観に合わせて形をつくるのが仕立ての役割。
- 生け垣の直線美
- マキやツゲの丸刈り
- 段作りや玉散らし
- 動物や模様のトピアリー
など、仕立ては庭に“構造”を与える作業といえます。
仕立ての種類
1. 玉仕立て
樹木を丸く仕立てる方法。ツゲやマキでよく見られ、やわらかい印象を与えます。
2. 段作り仕立て
枝を階段状に残していく方法。日本庭園のマキやクロマツで定番です。格式と重厚感が出ます。
3. 生け垣仕立て
複数の木を並べて刈り込み、直線に仕上げる方法。家の境界や目隠しとして機能します。
4. トピアリー仕立て
洋風庭園に多い仕立て。動物や模様など、自由な造形で庭のアクセントになります。
仕立ての魅力
庭にリズムを生む
丸・四角・直線などの形が織りなす調和が、庭全体の景観を引き締めます。管理のしやすさ
形を決めてしまうことで、伸びるたびに整える手入れがしやすくなります。時を重ねる楽しみ
仕立ては一度で完成するものではありません。数年、十数年かけて“育て上げる”プロセスそのものが庭づくりの醍醐味です。
仕立ての注意点
- 樹種ごとの成長速度を理解する
- 無理に形をつけず木の健康を優先する
- 庭全体のデザインや建物との調和を考える
仕立ては単なるデザインではなく、庭木と長く付き合うための知恵と工夫でもあります。
まとめ
「仕立て」は、庭をただ整えるだけでなく、景観を設計し、時間とともに育てる技です。
剪定や刈込と組み合わせながら、庭全体にストーリーを持たせることができるのが最大の魅力。
お庭に一つでも仕立物を加えると、そこに“格式”や“個性”が宿ります。
庭を長く楽しみたい方にこそおすすめしたい技法です。