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春の庭は“目覚めのリズム”

春の庭は“目覚めのリズム”

2025/05/09

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土の下から始まる、小さな音

春。
朝の空気が少しゆるんで、風が土の匂いを運んでくるころ、
庭の中では目に見えない“動き”が始まっています。

芽がふくらみ、根が静かに伸び、
木々が光を待って体を整える。
春は、見た目よりもずっと“音のある季節”なんです。


冬の間も、木は眠っていなかった

冬に剪定した枝の切り口。
そこからじんわり樹液がにじむことがあります。
これは木が再び動き出しているサイン。

寒さの中でも、生きものたちは止まらず、
ゆっくり春の準備をしていました。
春は「始まり」ではなく、「続き」。
冬を越えた力が、そっと顔を出す季節です。


春の手入れは“急がない”こと

新芽が出ると、「そろそろ剪定を」と考えがちですが、
春はあえて少し待つのがコツ。

芽の動きを見ながら、
どの枝を伸ばすか、どこを切るかを見極める。
焦らず観察することで、木の性格がよく見えてきます。

春の庭は、職人にとって「聴く季節」。
植物の声を聞きながら、手を動かします。


光が“デザイン”をつくる季節

春の光は、やわらかく透明。
冬の鋭さが抜け、庭全体をふんわり包みます。
同じ庭でも、影の形が変わり、
木々の輪郭がやさしく見えるのがこの時期の魅力です。

花の色も、光によって表情が違う。
朝と夕方で、まるで別の景色に見えることもあります。


まとめ:春は「整える」ではなく「迎える」季節

冬の静けさを抜けて、
庭が少しずつ呼吸を始める。
春の仕事は、その呼吸を邪魔せず、ただ“迎える”こと。

無理に形を整えず、
木や草の流れを感じながら、やさしく寄り添う。
それが、春の庭とのつき合い方です。